漢方による更年期障害の治療法


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現在更年期障害の治療法として一般的に採用されているHRTは体内に不足している女性ホルモンを本来の周期にあわせて補充することによって体の生理リズムを取り戻して活性化することを目的としています。
HRTはあくまでも西洋の医学ですが、このように体のリズムを取り戻すことによって他の部分の健康を目的とする治療法はむしろ東洋医学の思想に近いものがあります。
そんな東洋医学の結晶である中国の漢方にも更年期障害をケアする治療法はちゃんとあります。他の治療法がダメだったという人でも漢方なら効いた、という例はいくらでもあります。それでは、漢方による更年期障害の治療法とはどんなものでしょうか。

まず、漢方医学によると女性の体は7の倍数で節目を迎えるとされています。女性機能をつかさどる「腎」の働きは7歳で活発になり始め、14歳で月経が始まる。28歳で腎気はピークを迎え、42歳で衰退する。そして49歳で衰弱してしまい、閉経する。これが7の倍数で訪れる女性の体に関する節目です。年数において、おおむね西洋医学と合致しています。

さてここで言う「腎気」、これには東洋医学の概念通り陰と陽の機能があります。陽とは体を温める火の役割があり、反対に陰には体の余分な熱を冷ましたり潤したりする働きがあります。健康な体においては陰と陽のバランスが取れているのですが腎気が弱まってくると(漢方では「腎虚」と言います)、陰と陽のうちどちらかの機能が低下します。片方の機能のみが低下するということは陰と陽のバランスが崩れますので、体に色々な問題が発生します。更年期障害の症状がほてりや多汗など、暑い時に見られるような状態になるのは、陰の機能が低下していることを表しています。反対に、冷え性の人は陽の機能が低下するため、暖められなくなり手足の先が冷えたりします。

いったん陰と陽のバランスが崩れてしまうと、のぼせや多汗などのせいで不眠気味となり、さらに体力が低下するという悪循環に陥り、腎虚は加速度的に進行してしまいます。というのも、睡眠は体の熱を鎮める効果があるため、陰と陽では陰の機能を持っているとされているため、不眠気味になるということは自ずと陰の力が弱まっていることになります。

西洋医学と全く視点が違いますが、見事に更年期障害の症状やその進行性を言い当てています。東洋医学の理論にも大いに整合性があって、その効果が期待できるのはこのためです。それでは次の項で、東洋医学による更年期障害の治療法についてお話しましょう。

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このページは、isが2008年2月12日 17:42に書いたブログ記事です。

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