2008年1月アーカイブ

更年期以後の性行為


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更年期に差し掛かり、卵巣の機能が低下・停止するということは、妊娠能力が低下して次第になくなることになります。人間以外の動物は生殖機能が無くなるということは死を意味しますが、人間はそこから第二の人生が始まります。

これと同じように、人間は唯一生殖以外の目的を持って性行為を行います。快楽や男女のコミュニケーションなど、人間が高等動物であることは性行為を見ても分かります。更年期以前の性行為は生殖を目的としている可能性がありますが、更年期以後は全く目的の異なる性行為を行うことになります。

それでは、更年期以後の性行為について、どう考えるべきかお話したいと思います。これはなかなか人に聞きづらいことですが、大変重要なことです。

夫婦など特定のパートナーがおられる場合、パートナーとのコミュニケーションに性生活は役立ちます。すでに子育てを完了している夫婦の場合、閉経前であっても妊娠を目的とした性生活をしているわけではなかったはずですから、閉経後もさほど変わりません。ですが閉経によって「自分は女性ではなくなる」と思ってしまって、それがパートナーとの性生活に悪影響を与えるようなことがあっては、それは問題だと思います。

男性の場合は特に大きな契機があるわけではなく、ホルモン減少はゆっくりと進みます。そのため、個人差によっては年齢が高くても非常に「元気」な人も居ます。女性は閉経による更年期障害という大きな契機を体験するため、体に大変化がおとずれたと感じてしまうのだと思います。
更年期以後の女性が総じてお悩みに感じるのは女性が「濡れない」ということです。女性ホルモンが減少すると生殖のための機能も低下しますから、男性器を受け入れる準備がしづらくなります。それを恥ずかしいことと感じる女性が実に多いのですが、これは一人だけに起きることではなく、多くの女性が感じていることなので全然恥ずかしいことではありません。それによって失っているものがあることのほうが実にもったいないことだと思います。別の項でお話しますがホルモン治療や潤滑ゼリーの利用によってこの問題は驚くほど改善します。

また、閉経によって妊娠能力がなくなるということは、避妊をどうすれば良いのかという疑問も多数聞かれます。完全に閉経したことが確認されるまでは避妊をしたほうが無難であるというのが一般的な意見です。閉経後もおりものや機能性出血と呼ばれる出血がある場合は、いつ排卵が起きても不思議ではありません。

更年期障害の症状チェック


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更年期障害が発症してもおかしくない年齢に差し掛かった人が、体に何らかの変調を感じたとします。
これって更年期障害?と不安になるものです。
ですが更年期障害というのは症状が多岐にわたるため、年齢が年齢なら他のものでも更年期障害ではと思ってしまいがちです。
逆に、これまでに似たようなことがあったために更年期障害ではないだろうと勝手に早合点してしまうこともあります。そこで、更年期障害ではないかと思われる症状を並べてみましたので、これに当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。

1.理由もなく顔がほてる
2.理由もなく汗をやたらかく
3.腰、手足が冷えやすい
4.腰痛、手足に痛みがある また肩凝りがひどい
5.息切れや動悸が激しくなることがある
6.頭痛や目まい、吐き気を感じることが多い
7.怒りっぽくなった イライラしやすくなった
8.くよくよ悩んだり、憂鬱になることが多くなった
9.疲れやすい また疲れが取れにくくなった
10.寝つきが悪くなった、眠ってもすぐに目覚めてしまう
11.食欲がない
12.異性に興味がなくなった
13.いつも通りに身の回りのことが出来ない
14.自分がいないほうが、人は楽に暮らせると思うようになった
15.明らかに便秘がひどくなった
16.些細なことで泣くようになった

これらに当てはまるものが多ければ多いほど更年期障害の疑いが濃厚となります。また、これらの症状には強弱によっても深刻度に差があります。それぞれに強い症状を感じているということであれば、さらに更年期障害が濃厚で、また医師の診察や治療が必要である場合がありますので、更年期外来を受診されることをおすすめします。

更年期障害そのものは年齢的に避けては通れませんから、治療して根本的に解決できるものではありません。それ自体は仕方の無いことですが、更年期障害によって将来的に起こる問題を未然に軽減することは非常に重要です。

特に更年期障害によって起こる骨粗しょう症は骨折を発端とした寝たきりになってしまうリスクをはらんでいますし、同じく更年期障害によって起こる高脂血症によって起こる動脈硬化は命に関わってしまう事態を引き起こすことがあります。

更年期障害を防ぐことは出来なくても、これら将来に起こる症状を未然に防ぐことや、軽減することは出来ます。むしろ骨粗しょう症や高脂血症など、こちらのリスクのほうが怖いわけですから、更年期障害であることを早めに察知して対策を講じることは将来の健康において大変意味のあることなのです。

更年期障害の時期


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更年期という言葉は女性の卵巣機能が低下し始める時期として40~55歳までを指しています。更年期障害も当然この時期に起きるとされています。

更年期障害における全ての始まりは閉経です。閉経に伴って卵巣の機能が停止し、女性ホルモンの分泌が減少しますので、その時点から少しずつ体に影響があらわれ始めます。別の項でお話した、いわゆる更年期症状は最も早くおとずれます。具体的には閉経後の数年間以内と言われています。生殖器の不快感は閉経後1年から5年以内程度であらわれますので、更年期症状の時期とほぼ同じです。

そして女性ホルモンが減少することによって起こる骨密度の低下や高脂血症はさらに時間を経過して閉経から10年前後であらわれると言われています。

さて、今お話した更年期障害の時期については一般的に発症する時期ということで、言わば正常な(?)更年期障害です。この時期になってから更年期障害が発症するのは医学的にも不自然なことではありませんが、最近ではいわゆる更年期になる前に更年期障害の症状を発症する人が増えていることが問題になっています。

更年期よりも前の時期に更年期障害を発症することを「若年性更年期障害」と言います。更年期障害は卵巣の活動が停止することによって起こる、と再三お話していますので、若年性更年期障害と聞いて「若いのに閉経する人がいるのか」とお考えになった方もおられるでしょう。実際に閉経が原因で更年期障害を発症する人も居ます。本来の一般的な時期よりも早く閉経してしまうことを「早発閉経」と言いまして、早発閉経が若年性更年期障害の原因となるのは間違いありませんが、これは実に稀なケースです。

卵巣機能は停止していないのに更年期障害に近い症状を発症してしまう、というのが若年性更年期障害の大半です。女性ホルモンが正常に分泌されない状況というのは閉経以外でもたくさんあり得ます。具体的には強いストレス、ダイエット、疲労、激しすぎる運動、生活リズムの乱れ、タバコ...これらの原因は女性ホルモンの正常な分泌を阻害するので、閉経していなくても女性ホルモンが減少し、更年期障害を引き起こします。

これは女性の社会進出に伴って増える傾向にあり、まさに現代病と言えます。若年性更年期障害は病気というよりは生活習慣の乱れからくるダメージなので、それを改善することにより治すことが出来ます。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事、ストレスの解消、適度な運動。この4つは女性ホルモンの正常な分泌を促すので、更年期障害を抑えることが出来ます。それ以前に、これらの良い生活習慣はあらゆる意味で健康をもたらすものですので、女性ホルモン機能も体の一部だということですね。

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